57話「唯一の教義」
これは随分前から考えていた話でした。本編では初の中央庁ですね。ハイスペックリンクはまるで空気な書き方でお届けしましたけれども……。中央庁は、彼にとって家族を脅かす存在でありますので、基本話し方が刺々しい、ように書いています。プロットの段階と完成形で変更になった点は、最初の18歳組のシーンでした。本当はもっと湿っぽくいくか、もしくはもっと明るくいくかと迷っていたのですが、書いてみたら何の心配もなく、思いがけない流れで話は自動的に進んで行きました。でもきっとそういうときは良いのが書けてる、と思いながらそのまま放置しましたが。読み返してみたら、この三人の微妙な間合いのとりかたにマッチする話の展開は、まさにこれだったかな、と思っています。

これを更新する直前まで、実は60話の執筆をしていたのですが、またまたぼろぼろ泣いていました……ええ……知る人ぞ知る、書きながら泣く人間ですけれども、またも、という感じですね。しかし、最近考えたのは、私が泣く分、イライアが泣かないのだなと。だから、イライアが泣いていない部分も、泣きたい部分はたくさんあって、その分私が泣いているに違いない！と……訳分からないことを考えたのでした。燔祭を読んで、泣いた！と仰って下さる方もいらっしゃって、とても嬉しい日々を送っているのですが、そんな方は是非「あ、ここで主人公も泣きたいのか！」とちらりと思って頂けたら、見方も変わるかなぁ、と思った次第でした。

それでは本日はこれにて。
夜曇依都でした！


追記。
今後の燔祭を一層楽しむポイント＝室長助手のお嬢さん

56話「此岸に残されて」
聖典の話でした。大分ややこしい話になってしまっているかと思うのですが、きちんと仕組みは伝わっているのでしょうか……？分かりにくいとか意味不明ということであれば、どうぞ遠慮なくお声かけくださいませ。
主人公は大変面倒くさい子だなと、生みの親としても自覚しています。けれど、せめて言い訳をするのであれば、これでも大分軽減させたということです。彼にとって、それほど昔が大事だったのだと思って頂ければ嬉しいです。では、今は？という疑問もおありでしょうが、その答えとして今開示できるのは、「イライアは自分のことしか考えていない」という一点につきます。教団襲撃編が終わるまで、暗い暗い話が続きますが、お付き合い頂けたら幸いです！

リクエスト１「左手の誓い」
逆転弟子ということで、いつもと大分違う二人を書いてみましたが……なかなか、兄弟子アレンも、想像してみるとカッコいいものですね。主人公は「上」であることが多いのであまり弟にするにはイメージが追いつきませんでしたが、アレンの優しさにだんだん絆されてくれればいいなと思いながら書きました。
あや様、リクエストありがとうございました！

リクエスト２「泡沫を識る者」
なかなかに難しいリクエストで、苦労しましたが、何とか形になりました。主人公は「上手くいかない」ことが少ないためにエリザで書こうと思ったものの、エリザはエリザで「ラビなんて赦さない」で終わってしまいそうで、四苦八苦したまとめ方になりました（笑）人によって見方が異なるという、「燔祭の羊」の目標に近い話になったと思います。
山椒様、リクエストありがとうございました！

アンケートＢＬ５「想い流れて」
事後です。ええ、事後です。しかも身体だけの関係。……なんて師弟だ……
でも私の中のＢＬな二人というと、これが最たる理想の形なので、此処に落ち着きました。ブログなので。裏話なのでぶっちゃけて言いますが、皆さんＢＬお好きですね！（笑）今回は二羽とも、ＢＬと友情の違いとは？から遡って考え、書かせて頂きました。

アンケートＢＬ６「口実なんていらない」
当初のタイトルは、「桃色クッキング」でした（酷い）
のろけ話を書きたいという、ただそれだけの思いで書いた話です。決して素直にはのろけてなんかやらないイライアは、我ながらちょっと可愛かったですね。

それにしても、企画発動・新年一発目更新まで、大変長い間お待たせしました！
次回は、中央庁が遂にでてくると思います。……ううん、原作を読みたい！

それでは本日はこれにて。
夜曇依都でした。

本編55話「弔いの鐘／ふたり」
これは、過去編三作の最後の一つです。一つ目は、本編45話・主人公視点のもの、二つ目は、拍手第四弾の妹視点のもの、そして三つ目は、遅れて村に駆け付けた師匠視点の55話です。師匠が別人にならないように頑張ったつもりですが、果たして……。主人公の裏で、実は師匠も傷ついている、そのはず、と思って書きました。きっと師匠も、あの家を離れる時、主人公の叫び声を聞きながら、きっと師匠こそが泣きたかったんだと。涙を流せなかったのは、師匠の方なんだと思います。

拍手第五弾「親鳥と籠の雛」
55話と併せて読むときっともっと楽しいかな。父性の話。マザーとバーバを書くのに大変苦労しました……。そうですね、父性と友情の話と言い換えた方がいいかもしれません。師匠にとって、主人公へ向ける思いは、友情と、哀悼と、贖罪と、父性と……などなどかなり複雑に入り混じっているといいなと思います。もしかしたら、お父さんと主人公の区別がついていないかもしれない。最初は別に捉えていたとしても、いつの間にか重なってしまっているかもしれない。寧ろ自分をお父さんと重ねてしまっているかもしれない。そんな、親鳥と籠の雛を、親鳥の親レベルの視点から書けていると、いいな……

それでは本日はこれにて。
リクエスト、ください！！
夜曇依都でした。

番外51話「君は、知らない」
悪友にはホラーか！と言われましたが。そんなことはありません、これは、師匠が最も言われたくない言葉のお話でした。教団の神に対する信仰心って、もちろんばらばらで、彼に言われたら身投げすら出来る人も中には居るわけです。でも、赦しの神には誰だって赦されたいわけで、赦さないなんて言われたくはない。その中でも、きっと一番それを言われたくないと思っているのは、それを恐れているのは師匠なんです。

拍手の更新は、次回の本編更新の際にまとめます。

本日はこれにて。
夜曇依都でした。

54話「信者の不幸」
信じるものは救われるというけれど、神は誰かに信じられなければきっと存在できない、ティ○○ーベルみたいなものなんだと思っていまして、こんなタイトルになりました。
離れれば離れるほど、信じるものが壊れていることに気付けない。気付けないまま、信じ続ける。それって、傍目から見ると不幸だけど、本人は幸せなんですよね……不思議ですね……信じるものは救われるんですね。
何度も過去の夢を繰り返すから、怖くて一人では眠れない。そんな少年の虚勢が神様に成り得る恐ろしい世界だなぁと思います。

番外50話「僕は何も持っていないから」
これは、作中にも書かれていますが、一年ぶりに福音を使った主人公の話です。この日を境に彼は福音を使えるようになり、夢に家族を見始めた。そんなきっかけの話でした。師匠が戦えない瞬間というものを作るのに心底苦労しました……。

誕生日番外
今年は……リーバー班長でしたー！予定では科学班でした(笑)基本お酒には強く、父譲りの殆ど酔わないタイプですが、たまには失敗もするよね、という話。実はリーバーさんに申告したよりもかなり多い量を飲んでいるという裏設定もあります。

燔祭の羊 Another
妹・エリザが、イライアと共にエクソシストをしていたら？という設定の燔祭アナザーです。ずいぶん前から仄めかしてはいましたが、やっと御披露目できました！
エリザは私のあまり好きではない、女の子女の子しているタイプの子に育った訳ですが、彼女には意外と執念深く苛烈な一面があります。そこが私はとても気に入っています。
イライアについても、本編とは大分違う子になっているかと……何せ愛する「世界」がそこにいますからね。同じ言葉を言っても、本編よりも余裕があり、よりエゴイスティックな響きを孕んでいます。どうぞその違いもお楽しみください！

それでは、本日はこれにて！
夜曇依都でした。