本編41話「先へ進む者」

やっと双子部屋が終わりました。
今回は久々のアクションでもあったわけですが、何よりも、書いている途中でまたもや主人公が私のプロットに反旗を翻したのが執筆中の思い出です。けれど、私の中に居る彼がそう思うならそのまま進めてしまおうと思い、止めずに書きました。全部を救いたい、だけど、先へ進むには、役目を果たすには割り切って冷徹にならなければならない時もある。堪え切れない思いが、文章から、読んで下さった皆様に伝わればいいなと思います。

さて、方舟編の中でも困難を極めた双子部屋編でしたが、これからは更なる……試練が、待っています。辛い。いえ、今の時点でも大分辛いです。だけど、私はもう何年も考え続けてしまったので、感覚が麻痺していると思う。

人の感じ方はそれぞれだから、ある人にとって何でもないことはある人にとって人生の重大事になりうると思います。だけど何より、過去のある一点が引き起こす悲しみよりも、積もり積もった苦しみを、生きることで生まれる苦しみを書きたいです。これ以上は、お口チャックします。

それでは本日はこれにて。
夜曇依都でした。

13'New Year「ぬくもり」
新年一発目に用意したのは、季節的にコレです。
私が今シーズン初めて手袋を出した日に書いたものです。ふと、師匠が手袋を買ってあげようとしているけれど、ずっと首を横に振り続けるイライア、というシーンが頭に浮かび、はっ、となって1時間ほどで書きあげたスピード作でした。案外そういう話の方が上手く書けているのでは、という思いがあります（笑）　冬の一瞬、ほっこりする時間をご提供できたら幸いです。

それでは本日はこれにて。
夜曇依都でした。

40話「纏わりつく」
つ、遂に40話であります……。流石に此処まで続けられるとは夢にも思っていなかった。ひとえに、訪問して下さる皆様の応援の御蔭です。ありがとうございます！
さて、40話は双子部屋の中盤でした。次回は久々のアクションが待ち受けている……筈です。この話は、レロとの交流がメインになるはずだったのですが、それは全体に流れるテーマへと変貌し、いつの間にか世界を失う恐怖が全面に押し出される形になりました。何故かというと、それは簡単。珍しくイライアがプロットを離れ大暴走をかましてくれたからです。いつもはプロットを外れるのはミザンの仕事なのですが（笑）、今回はイライアでした。珍しい。本当に珍しい。でも、キャラが手を離れてしまうのは、私の頭の中で話が交錯しているからか、それとも私の頭の中のイライアが生々しく動きたがっているからかのどちらかであると、そしてそれが後者であると頑なに信じて、流れに身を任せることにしました。結果、なんだか語り尽くせていないような話になった感はありますが、最初に考えていた話よりも躍動感が出たような気がします。
ついでに、話が進むにつれて変化するレロの語り口にもご注目頂けたら嬉しいです。

年内は……もう無理ですかね、流石に。
ただ、41話の構成は出来ているので、後は文に起こすだけです。気力と時間が全てです。頑張ります。

それでは本日はこれにて。
夜曇依都でした。

番外46話「むかしがたり」
いつかイライアとリナリーの出会って間もないころの話も書いてみたい……と思いながら出来あがった話です。コムイさんは本当に優しいお兄さんだと思う（変人だけど。）イライアにとって、コムイはきっと夢の存在なんです。そんな話をいつか書きたい。話が逸れましたが、とりあえずこの話は二人の可愛い思い出話。いつもより少し軽めのテイストです。

DRRR!「硝子玉」
主人公のメイはふわっふわのほわっほわな雰囲気を醸し出した、ちょっと狂った暗殺者です。……ええ、話には出しきれていないのですが、元暗殺者なんです。人が嫌いで、人じゃないものが好き。今思うと、そのポリシーだけはミザンに少し似ている……でも違うのは私が作ったキャラだということと、ミザンより余程淡泊だということです。この話を友人に読んでもらったら、「依都がこんな王道から外れたキャラを書くなんて……」と驚かれました。

鋼錬「雷鳥」
主人公の銘からタイトルをつけようとしたら、この鳥に行き着き、挙句雷鳥の性質として「朝夕の霧の中を飛ぶ」というのを目にした時、これにしようと決定しました。オルニスは、「イライアはぶっきらぼうには喋ってくれない→悪態付くようなキャラを書きたい→じゃあ、新しく作ろう」という経緯で誕生。経緯は大分適当ですが、個人的にはかなり気に入っているシリーズです。自分で書いておきながら……
主人公の感覚としては、軍の狗は人で在る資格がない。正義の基準は人それぞれ、みたいなところがこの話の根幹にあります。続きを書きたいな、とは思うけど、それには読み返さなきゃなので難しいかな……。もしかしたら、あと2話はあげられるかもしれません。

今年中に40話をあげたいとは思いつつ、流石に論文が切羽詰まっているので、予定は未定です。ミザンが来年になることだけは確定しました……下方修正ばかりでごめんなさい。最善は尽くします。もう少々お待ち下さい。

それでは本日はこれにて！
夜曇依都でした。

本編39話「掌の上の駒」
盤上の駒、ではなく、掌の上。この場合は神とは関係なく、伯爵様と師匠の掌ですね。ミザンと双子、弟子達に共通するものとは？と考えた結果、「ああ、みんな弄ばれてるわ……」と思い、このようなタイトルに相成りました。
今回の話で一番すんなり書けたのは、冒頭のロードとミザンでした。完全なオリジナル展開でしたからね（笑）逆に大変だったのは、久々のアクションシーンもさることながら、No.1は借金のくだりでした、ええ……本編でほぼ唯一といっていいほどの、シリアス味の薄い話だったのでは、と思います。まったくもって、恥ずかしい師匠ですね、もう。
ラストは勿論次の話に繋がっています。予想外にプロットを離れてしまったので、双子部屋が予定より一話多くなることになりましたが、なるべく……今年中には……ミザンの部屋に……行きたいですね！！

誕生日企画
師匠、ティーンズ、アジア支部、と来て今年は誰をメインにした話にしよう？と考えに考え、悩みに悩んだ結果、こうなりました。要は師匠に戻ってみました。そして、プラス……。
彼らは今後を見越して再登場してもらったのですが、思いのほか楽しい番外になってよかったな、と自分では思っています。しかし、「師匠がこれからいなくなっちゃうのを考えると悲しい」と言われ、なるほどと思って自分で読み返したらものの見事に泣きました。くそっ、なんでこんな終わり方にした……私……っ。でも後悔はしていません。「仔羊～」とも関係しますが、師匠はきっとこんな風にイライアのことを見ていてくれていると思います。

拍手「仔羊達の秘め事」
完結しました！この話の人気があったのか、純粋に拍手をして下さる方が多かったのかはちょっと定かではありませんが（笑）、我ながらこの話は気に入っています。前に裏話、書いてないですよね……？
第一話最初と第六話最後にテーマの全てが詰まっています。あと、タイトル。「仔羊達」は、人間。「秘め事」は、無意識に信じている、けれどありえないこと、です。また、師匠とイライアの関係も良い具合に書けたかな、と思います。イライアは自分が師に依存してるってよくわかってる。師匠もそう思ってるけど、実は師匠も主人公に依存してる。たぶん、そうです。それはきっと、イライアは意識していないことでしょうけれど。

こんなとんでもないもだもだしい師弟の話はまだまだ続きます。
満足できるような時間を提供できるよう頑張りますので、どうぞこれからも見守ってください。

それでは本日はこれにて！
夜曇依都でした！