63話「彼のしあわせ」（本当は、）
大変……土壇場で……最後の一文に苦労した話でした……。骨格自体は何年も前からできていたのですが、ちょっと師匠らしさに欠ける、と書き直した結果、今まで考えていたものと辻褄が合わなくなったりしましたが、それはそれで、新たに生まれたものを大事にすることになりました。
師匠は、イライアのことをすこし誤解していたんだと思う。イライアは裏表なく、ただ、生きたい世界と生きたくない世界を秤にかけた。その結果、家族のいない世界には居たくないという結論を得ました。死んだらきっと、謝りに行ける。それを崩されたら、秤は当然もう片方に傾いていく。其処に、ようやく師匠が気付けた回にしようか、と考えた結果の63話です。
きっと誰も責めてないのにね。なのにどうしてこんなに「罪」を意識しているか、というところに関しては、先日私の中で解決しましたので、これからの作品に生かしていきたいと思います！

それでは、本日はこれにて。
夜曇依都でした。

本編62話「空へ／今、此処に在る世界を」
人による赦しって、どんなものかな？と。それが武器の特性として現れるならばどんなものかな？と。ノアの良心に訴えかけて遺伝子を破壊するならば、アクマに対しては何に訴えかけて、どうなるのかな？と。考えた結果が、コレです。人を憎めないから、人の良心を信じきる。「よばれてアクマになった人」の良心には、「よんだ人」からの言葉が大事なんじゃないかなって。貴方は悪くないよ、と。「よんでアクマにした人」も、「よばれた人」からの言葉が大事なんじゃないかな。貴方だけの責任じゃないよ、と。二人で償おう、と思えたら。愛し合っていたから生まれた悲劇だ、というなら、都合よく愛を頼みにしてもいいんじゃないかな？と。それが、人霊のような光。
きっと、イライアにとっての福音は、それなんです。心のどこかで願っていると思う。でも、それが叶わないことだとしても、自分のやることに変わりはない。もう引き返せない道しかないのなら、今こそ、決断の時。世界を渡さない、世界を守りきる、家族を守りきる、そのために生きてきて、「今」を見過ごすことは出来ない。それが、62話です。僕の世界は渡さない。代わりに叶わない自分の願いを、全部分けてあげるから。僕の世界は渡さない。この世界も同じくらい、愛してしまったから。そんな気持ちで書きました。

リクエスト「君の止まり木」
im様からのリクエストでした。ありがとうございます！
日常のほのぼの、ということでしたので、……頑張りましたっ
何を言ってあげるより、いつも通りに笑わせてくれる存在というのが大事だと思います。そんなほのぼの。師匠にいたずらを働こうとして、背後でちょっとにやつくイライアを想像したら楽しくなってきました。

アンケートBL「あげない」
こちらもちょっといたずらっ子気味です。主人公視点は前回書いた気がしたので、師匠視点で楽しんでみようと思いました。どぎまぎする師匠や、ちょっと本気を出して人を籠絡しようとするイライアなど、とても新鮮で。特に教団は女性陣が少ないですから、口説きにかかる様子なんて殆ど書けないですしね！

アンケートノア「世界を奪う者」
そこまでが限界でした（笑）にこにこ微笑みながら、平気で相手をたたき落とそうとする「支配」のノア、という設定ですね。詳しくは、四月ばかの私の呟きを拾って頂けると嬉しいのですが、一応その時の通りには書けたかと思います。書いていて、遠慮のないイライアは怖いなと実感しました。平気で、人の一番弱いところを突いてくる、それはそれは恐ろしい子でした。これは流石に、もう今回きりですね（笑）

拍手
本編62話と連動です。エリザはきっと、イライアの幸せを祈ってるよ。ということを前面に押し出してみました。あなたと同じくらい、それ以上に、私はあなたを思っている。

こんな大切な日なのに、眠くて文章が少しおかしいかもですが……（ここで多くを語る必要も無いのが理想ですね！）次回の更新もまた、頑張っていこうと思います！
おそらく五万ヒットも近く、主人公誕生日も迫り、と当分ドタバタしていますが、その合間を縫っての本編もどうぞお楽しみに。

それでは本日はこれにて。
夜曇依都でした！
今までの応援、ありがとうございます。
これからも宜しくお願いします！

61話「二度と届かない」
vsレベル４。実際にレベル４編を書き出してから考えたのが、この話になります。前にも書いたような気がしますが、コムイは、イライアにとってはあこがれの存在と言っても過言ではないと思うのです。妹を守るために行動を起こせて、実際に妹を守っている。妹はまだ無事に生きていて、いつでも傍で支えてあげられる。一方イライアは、妹に手も伸ばせなかった。守ることもできなかった、妹はもういない。コムイは、イライアの憧れです。自分に出来なかったことを、全部出来た。自分には無かった力がある。自分が失ったものを、持っている。
リナリーを守るだけなら、良かった。自分の妹と重ね合わせて、「世界」として錯覚してしまえば、なんの羨望もなく接することが出来た。だけど、彼女が苦しんでいる時にどうして、手を伸ばせるはずのコムイが何もしていないのか。自分には出来ないことを全部できるコムイが、どうして、出来るはずのことをしないのか。守れるはずのものを守らないのか。どうして、伸ばせる手を伸ばさないのか。
ただの逆恨みです。逆ギレにすぎないんです。でも、これを考えたらどうしてもこの想いを吐き出さずにはいられなかった。そのための一話といってもいいかもしれない。イライアはどうしたって、エリザに関することで冷静ではいられないんですから。

次は重大な選択の回です。とはいえ、もう心は決まっていますけどね。
レベル４編も佳境……あああ師匠の出番がだんだん少なくなっていく……

それでは、本日はこれにて。
夜曇依都でした。

ふと考えたことをまとめてメモっておこうと思いまして。んなもんちゃんと話の中で書けよ、って感じの全くの裏話なのですが。

イライアの命の考え方ってほんと酷いなと。

自分の命はすっごく軽くて、罪深くて、だから大切にされる理由なんてないから、寧ろ蔑ろにされて然るべきで、優先順位としては真っ先に捨てるべきもの。
って、本人は考えているんですよね。
だけど、皆は自分のことをなんだか「神様」とか呼んでてやたら崇められるし、やたら命の価値を説かれる。おかしいなぁ、おかしいなぁ、こんなに価値のないものは何処探したって他にないのに、おかしいなぁ……でもこんなこと言うと自分がおかしいと言われる、不思議だ、まっとうなことを言っているはずなのに。
もしも本当に皆が言うような「価値」が自分の命に在るとするなら、それならこの命を使ってこの世の罪を全て贖うこともできるんじゃないのか。本当にそんな価値があるというなら、率先してこの命は使っていくべきだ。その価値に見合うだけ、罪を纏って死んでいくべきだ。

なんて考えちゃう子なんだな、と。こんな考え方と、もっとポジティブな考え方と、もっとネガティブな考え方がミックスされて、ぐるぐる廻ってるのがイライアですね。女々しい、確かにそう。優柔不断、確かにそう。意志が弱い、確かにそう。心が弱い、ごもっとも。でも、それが人間だから。
と、昨日考察をし、こんなモットーでこれからも書いていこう！と決意した次第でありました。こんな場所でつらつら言ってないで本編に組み込めよ！！という話なんですけどね（笑）いや、一応本編に組みこめている……といいなって……思っては……います……

次の話は鋭意制作中です。
アンケート＆リクエストもどうぞ宜しくお願いします☆

それでは本日はこれにて。
夜曇依都でした。

60話「いもうと」
59話とセットになっているので、合わせて読んで頂けると嬉しいです。59話でのしこりも取れているといいなと思います。
最近気づいたことですが、イライアの「僕が悪い」理論って、小さな子の理論と同じなんですよね。「僕が悪い子だから、こうなっちゃった」という、あれです。理不尽なんだけど、でも彼らにとっては正当な、真っ当な主張な筈なんです。イライアは多分、お母さんが病気になったときからずっとこの考え方を直せないまま来てしまったのではないかと。だからそういう意味では、精神年齢がとても低い。三歳とか、四歳とか、五歳とか、まだその辺りを彷徨っているのだと思います。
モノローグは大分昔に決まっていたのですが、リナリーに向ける言葉はギリギリまで何度も書き換えました……というのもやはり、前回書きましたが、この話が当初予定していたものとは少し変わってしまったからですね。でもこれで良かったのだと思います。生きたい、生きてはいけない、失いたくない、ならば生きられない。この四つの思いの葛藤に気付いた時は私が泣きました。

神様のお話ではあるけれど、最強主人公かも！と思っていらした方には申し訳ないけれど、彼は最強にはなれない。これからも、もっともっとぐだぐだ悶々悩んで、迷って欲しいなと思っています。

それでは、本日はこれにて。
夜曇依都でした。